1-11 転生デビュー 〜おバカ王子とツンデレ悪役令嬢のジレキュンな日常〜……の書き出し祭りリンクはこちら
第二十五回 書き出し祭り 第一会場 – 1-11 転生デビュー 〜おバカ王子とツンデレ悪役令嬢のジレキュンな日常〜
タイトル感想
ジャンルとしてはラブコメディのライトノベルであることを予測しました。
ジャンルと想定読者はがとても理解しやすくて好印象でした!特にWebにおいて転生ものを愛好する読者をターゲットにしたタイトルかなと思いました。”転生デビュー”は極論、異世界転生ものの作品すべての主人公がやっちゃってることであるからして、却って当該ジャンル読者層のレスポンスは非常に良いことが想像できます。この発想は自分にはなかった。参考になりますね…。(なお”転生デビュー“の定義について本文中にも明記はなかったので、『転生デビュー=異世界に降りたこちら側の人が異世界側の住人として暮らし始めること』と、便宜上、念のため定義しました。私には馴染み無い言葉ゆえ、ご了承ください)
下記はちょっとした提案です。
この手のタイトルフォーマットについて私自身は取り扱わないのですが、定石を推察すると下記の通りになるんじゃないかなと考えてます。
【物語の象徴的なフレーズ(タイトル)】~【ストーリーのテーマや流れを示唆する短文】~
上記について、たとえば商業化作品であれば……
無職転生~異世界行ったら本気出す~
俺は全てを【パリィ】する~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~
チート薬師のスローライフ~異世界に作ろうドラッグストア~
頑張ってググったンゴ
が挙げられます。
この定石通りのフォーマットを考慮したときに、本作品の【ストーリーのテーマや流れを示唆する短文】は問題ないのですが、【物語の象徴的なフレーズ(タイトル)】については、もう少し本作品ならではの個性を強調できるんじゃないかな、なんて考えた次第です。
少しおせっかいかなとも思う提案なので、いらなかったら捨てちゃってください!
あらすじ感想
あらすじから読み取れる状況と、一読者として私が本文に期待した展開を、下記に記載します。
主人公とヒロインに焦点を当てたあらすじなので、それぞれ二人に対する印象を述べながら、ストーリーについても想像しました。
主人公(王子):陰キャ。ギャルゲー世界の王子となり、ルックスが神々しくなったものと思われる(転生デビューするっきゃないだろ!というセリフからの想像)
ラビッツとのラブストーリーを期待させます。
ラビッツ:転生者らしい。ヒロイン。ギャルゲーで悪役令嬢の異名を持つ?異名は我々側の世界でのものか異世界の者かはまだ判断できず。
主人公とのラブストーリーを期待させます。
本文感想
前置き
少し懐かしい気持ちになりました。
というのも、私がWEB小説を愛読していた時期、こういった文体・物語の雰囲気を持つ作品をたくさん楽しんでいたからです。
書き出し祭りって競作企画ですし、主催の肥前さんのおっしゃるように書き出しの技術向上を主目的に開催されている手前、どうしても技術面やお話の組方についてシビアな要求をされることもある。プロの方もたっくさん参加されてますし!(白目)
ただ、空いてる時間に斜め読みして、雰囲気と大まかな展開を楽しめる──それがWEB小説の素晴らしい側面であるのは事実なのです。WEB小説って本来ストレートネック必至の雁首伸ばして真面目に読むもんじゃないと自分は考えているんです。だから、この作品は今のままでもそういったライトな層に向けてしっかり刺さってくれるはず。
ただ、書き出し祭りに参加されたということは、作者様はきっと、おもしろい作品を書きたいんだ、今よりもっとたくさんの人に読まれたいんだ、という志がある方かと想像しています。私の想像に相違なければ、以下からの感想・分析が少しでも役に立てればいいなと思います。違ったら引き返してください!すみません!
前置きが長くなりましたが、始めます!
本文感想
あらかじめ運命が定められたゲーム世界で、主人公は意志とか努力とかでフラグを折ったり、抗ったりして、ラビッツもいつか振り向かせる──というのが、物語で表現したいストーリー軸と予測してます。
書きたいイメージは伝わりました。熱意も!!
WEB小説としてすごく楽しめました。ちゃんとしたコメディで面白かったです!主人公のノリの良さ(なお空回り)、親友との掛け合い、天然ヒロインの攻撃、ラビッツのあからさまなツンツンとした態度……和気あいあいとしていて楽しかったです。きっと暇なときにWEBで見つけたら、読み続けてしまう。主人公は果たして婚約者であるラビッツに振り向いてもらえるのだろうか!と気になります!
作者様の本作を書く上での意図はおそらく達成していると考えていいかもしれないです。
ですが、目に力を込めて集中すると物語に細かく踏み込めない。物語への没入感をいまいち味わえない。とにかく精読しようとすると、ノイズが走る。キャラクターへの没入感もいまひとつ…。その原因は一文一文の可読性がイマイチ/状況把握のために読み手が混乱する/キャラクターに属性以上の要素がないというとこにあります。斜め読みで雰囲気を楽しまざるを得ない物語(ほかの楽しみ方がしづらい)ともいえる現状です。
この可読性を損なう要素というのを、以下より分析し、細かくお伝えすることでお役に立てればと思います。
構造の分析


細かく分けてはいるんですけど、複数の設定/情報が、整理されないまま並行して文章上に解き放たれ、洪水を起こしている状況かなと思いました。点は多いけど、それらを結びつけて線にできる要素が少ない。上記表の情報量に対して、その色分けされた情報たちを結びつける矢印がすくなすぎる/脈絡なさすぎることが、上記の「洪水問題」に直結してるかもと感じました。これが可読性を損ねている根本的な原因かなと思います。現状は、かなり行き当たりばったり感が出ちゃってます。(正直、上記表で状況整理するのがちょっと辛かったっす……)
なので上記を整理整頓し『だれが』『どこで』『なにを』『している/したい』というのを、物語に沿って組み立てると、一気に伝えたい情報もまとまってくるんじゃないかなと思ったりしました。
ですが、作者様の書きたいものは明確に伝わりました。魅力の伝え方が『小説』の形式にアジャストしていないだけで、そこは作者様が今後、『小説』の技術をどう磨いていくかに依存するかな、とは思ってます。
私もつたない身ですので、技術指南やアドバイスはできませんけどね…!私ができるのは作者様がやりたいことに対して抱えてる課題を可視化することだけです。…え、アドバイスしてる?キノセイデス
改善提案:とにかく書く、ものを参考に読む。そして人に読んでもらいフィードバックを得る(仲間も得る)。そして書く
なので、改善提案という形式でお伝えします(ものはいいよう)
副題にある通り、とにかくPDCAを回すことが近道かなと思ってます。もう書き出し祭りに出してる時点でやってるとは思いますけど!!仲間もいるでしょうとも!!!!
知ってるとは思いますが、ある一定のレベルまでは、数は決して裏切りません。これは私の経験則から確信をもって言えることです。
「努力で自分の課題に嘘をつく」ことが問題になるフェーズってのは、本当に上のほうに行かないとないんじゃないかなって思ってます。それまではとにかくオラオラです。数をこなす!いやにならない範囲で!
だから、これからもぜひ、お互いに書き出し祭りで頑張りましょう!!私も作者様ともっと遊びたいし、一緒に成長していきたい。
あれ?これは、ただの私の友達作りになってるんか…?
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